4/23/2012

必修切り

「TOEIC400点を一年で目指します。」…バカにされてるようでいただけない年間予定だった。

「英字新聞を読めるようにしましょう」…この講義はまともかと思いきや高校1,2年生レベルのテキストを読むだけ。それを答えられないような学生はもう視界に入れる気すら失せる。

学生の質についてはどこも同じと言われたために半ば諦めてはいるのですが、講義がこれでは困る。極論を呈せば実力をつけるどころか頭が腐る。「必修単位と呼ばれる教養科目くらい受けよう…」半ば諦め気味で通い始めた訳ですが、僕からすれば必修すら取る価値が無い。これなら1時間半静かな部屋で自習していた方が数倍役に立つだろう。
そしてなにより通年単位については後期の試験期間に入試がかぶる時期とあって受ける気概は毛頭無し。いや気概なんて言葉は似つかわしくないな、つもりくらいで十分だった。

倫理(4単位)を切り落とした今、前期単位19/23となっている。ここから体育(通年2単位)、英語(1単位)×2を切り落とす所存だ。余った時間が有効に使えるのならばこれに越した事はない。
月曜2,4
火曜3,4
水曜2
木曜1,2
金曜2,4
として前期最大16単位とする、後期も内容次第で大胆に切除していこうと考えている。


ここまでの話、つまり僕はこの学校をこのまま上がる気がないということを意味します。本心をいえば今すぐにでも予備校生活をしたい。出資者の意向とあれども失望するならば自分の満足する高さまで登ってからにしたい。望まない結果となった事で何度も自責の念に駆られてきた。

事実、現役時代に甘んじたおかげで今の惨めな状況が出来上がったということなんですが、現実はあまりにも酷かった。此処から脱却するも此の侭沈むも我次第という事で、許可など貰わなくとも、理由がどうであれ、この先くらい自分で決めたいと改めて惨めさに打たれながら思ったのである。




ちなみにこの行動の一番の理由は気の会う奴がいないって事でした。

4/18/2012

帰りたい場所

本日は晴天なり。
久々に喫茶でモーニングを頂いてきた。そこにテレビの取材がきていた。


最近思うことがある。
自分がどうありたいかが見えない。ただ漠然とした「帰りたい」という気持ちがあるだけなのだ。そこがどこであるのか一切の見当がつかずただ飄々として頭の中、どこかで浮遊し続けている。私は自分について一ヶ所にとどまることが不向きで放浪に向いた人間であると思う事が多々あるが、現在の私は「誰かのいるところ」を求め続けているように思うのだ。知り合いがいないと落ち着かないのだ。これは現状、自分のいる場所が暫しの間定まってしまったからだと推測をしている。定まったからにはそこを居心地の良い場所に変えなくては生きていけないという強迫観念的思い込みによって生じているのかもしれないし、実際に野放しでは何かしらの影響が見えるのかもしれない。それに現在の場所を自分は酷く憎んでいるし、気に入るなんて事態に陥る事は金輪際無いと思っている。いや、確信とも言っていい。そんな場所に釘打たれた自分の情けなさ故に本日説法を聞く事になった。

叔父は自分の気持ちを中々に理解してくれていると思った。これは歪曲的な感想なのかもしれないが、私を見下すような素振りが浅学非才の私めには見い出す事は出来なかった。今後の指針についての話をして頂いた。留まれと明に言う訳でもなく、提案として、自分が考えはしたが無意識のうちに却下していたものに似た針を渡してきたのだ。目から鱗言っても良い。自分は軽薄に否定をしたが、直ぐに切り落とされ、紙切れ同然の反論だと認識させられた。今後の一年を棒に振るのは変わらずだが、その切り捨て分の利用を考慮してある点は成長率を考えるのならば成る程圧倒的に良い。だが自分の幼稚さ故に一定期間の夢と銘を捨てきれずいる。我儘を通したとしてもその一年は埋め合わせが出来るように思うのだが銘で今後がどう変わるとも言えない現在からすれば、意地を張るのをやめた方が良いという考えも持ち合わせてはいるつもりだ。その上で私は夢を追いたいのだろうか、それとも単に人を見下げていたいだけなのだろうか。

確かな事は、私は望んでいたのだ。肯定の言葉を。


「入学おめでとう、祝いだ。誕生日祝いも忘れていたな。」
否定はしていない。確証は無くとも叔父の思っている事は少しだけ理解できるような気がする。僕は良くも悪くもいつもレールを飛び越えて生きてきたのだ。周りを驚かせる人間だと、そう思っているのだろう。

「楽しみにしてる」


封筒には諭吉が並んでいた。
僕はどこに帰るだろう。

4/07/2012

花咲くいろはとは何だったのか

先程インタビューズ(ほぼ無視)のほうに「春といえばどんな曲?」みたいな質問が来てました。
僕としてはチャットモンチーはそういうの多かったような気がしたなあ、とか定番で「蛍の光」「春よ、来い」だったりレミオロメンの「3月9日」だったり、蛍の光ってコード的にカントリーロード被せるといい感じだよなあとぼんやり思ったわけです。他に自分の界隈だと「思い出は遠くの日々」「Spring(久石譲)」もよく聞くかなあとか。

そこでふと、最近のだけれども「ハナノイロ」もそうじゃね?と思ったんです。芽吹きが前面に出ていて始まりっぽい。ちょうど一年前の曲なんですよねこれが。一年すぎて僕にはまともな春が来てないんですけどね、えへへ…

で、この「ハナノイロ」がOPのアニメ花咲くいろは
個人的にはかなり良作なんです。
友人に薦めてるので紹介も兼ねて見直しつつ書こうかなと。


キャラ

主人公となる緒花はとにかく声がでかい。目をかっと見開き相手を向いたまま意見を言える点は凄い。序盤はとっても夢見がちキャラだが馴染むうちに薄れる。「私、輝きたいんです」が端的にドリーミーな部分を表している。
「空気を読まない正義主義」 母親がああなのにスレもグレもしない面からある種のしたたかさ、現実を見る力があるように見える。良くも悪くもこれらが周りを変える力になっている。
みんちと結名ちゃんがトップだということで容姿的には多分中の上くらいの位置。

~前半~

開始点

ドラマのない町東京からの脱出。ここで孝一から別れ際に告白される。町について新たな生活を夢見てたのに初日で幾度も死を願われ、待っていた先は旅館のホコリっぽい部屋、そして仲居としての労働、そして度重なる叱咤ということで「働きに来たわけじゃなかったのに…」と泣きながらの雑巾がけ掃除をする。

~涙の雨が頬を叩く~

人は裏切られる前に先制攻撃。自分だけを信じる「刈り取る」論。民子、菜子と馴染めないことに対する苛立ち。自分だけでは何もできないことを実感。「頼るから!だからいろいろ教えて!」と頼み込み、過去の経験を利用しあえて嫌いなものを朝のまかないに入れることでもやもやの解消を図ったりする。この頃旅館についての本を読んだりもするが「わからーん」といった感想を抱く。まだ試行錯誤をしているが半人前も半ばを過ぎてきたといった感じだ。

~開いてゆく小さく閉じた心が~

初給与で環境が変わったことに対し改めて「働くっていいね!」と菜子に嬉々として言う。ここで意識は最初と随分変わっている用に思える。今までの報われ辛い環境からすればこれは緒花にとっては良い環境の変化だったのだろう。
経営環境が傾いていると聞けばみんなで「新しいことをしないと」と動くが、それは過去にスイも実施していたんだと知り、また常連客の話から宿の立ち位置も見なおしてみようと考えさせられる。
ガイドブックの覆面調査員が来ているかもしれないという時に女将さんが倒れて人手が足りない…そんな時に調査員らしき人に優先的にサービスを行おうとするコンサルや若旦那たちに対して、自分はスイに預かった帳面があった。読んでいくうち、やはり今までやってきたやり方が一番だと感じ、「お客様はみな同じです!それが女将さんなんです!それが、喜翠荘なんです!」 と主張。これを見るかぎり温故知新な子に育っている感じがする。以前に感じた『喜翠荘らしさ』や預かった帳面を見て、もてなしにおいての心をだんだん知る。仕事においても巴や菜子に教わったことをちゃんと行い、自分なりの親切心をも発揮してしっかりもてなせる人になっていっている。

ここで一度孝ちゃんとのすれ違いが入る。

仕事に向かう癖がついていた。熱があるのに「あたしも働かないと…」と動くが倒れてしまう緒花。 人手不足の時に徹を式場まで呼びに行ったこともあり「あたしがいなくても喜翠荘はやっていける…?」という考えがぐるぐると渦巻く。自分はこんな状態だが宿はちゃんと回っているのだから無理も無い。 二人のフォローにより今は不可欠な人材になりつつあるのだと感じ、安堵。

~笑っていたいな~

以前の雑誌において宿に低評価をつけたのが母だと知った緒花。宿にもう一度来てみて欲しいと説得をする。ここで分かるのは喜翠荘が生活の一部かつまた誇りを持てる仕事となっていたということだろう。母と会い仕事について聞くたびに募る不満と蘇る今までの経験。「こんな仕事のために…自分は今まで我慢していたの?」と尋ねるが「そうだよ」という率直な返事を受け崩壊。どっちかというと勝手に育った気がする緒花だが、「母を許さない」という気だけは強く、紆余曲折ありなんとか皐月を喜翠荘に連れて行くことができた。皐月の同行の理由は「以前に同じセリフを自分も言った」ということ、血は抗えないのか。

紆余曲折部分に孝ちゃんと恋敵との話がある。孝一は別の子に告白をされていたようで返事を保留してあると聞いた緒花は「ちゃんと返事をしないと失礼だよ」と言い放つが、現在進行形で自分も数カ月保留してたよねこの子。ここでまた返事をせず逃げてしまう緒花。そして翌日孝一との電話で孝一が以前に喜翠荘に向かっていたことを知り「悪役決定だ…」と思い込んでしまう。ここで緒花の中で孝一との関係は終ってしまったのだ、フラれてしまったのだとということになる。傍から見たら思い込みで振り回される孝一がかわいそうだけどね。どっちかというと緒花が捨て去ってるから

宿に戻ったあとは緒花、皐月、スイの話が総括といってもいい。
宿は客が第一ということでスイは皐月の好物の煮物を作り、緒花は布団にいつもの細工。スイと緒花で皐月への対策。このあたりは家族だったのだなと思わせてくれるいい場面。3人での会話で四十万の女たちの性格が垣間見ることができる。スイの見た3代で宿をやるという夢にはウルっとくるものがある。帰り際の母の評価は絶賛。これは今まで長いこと見ていたからこその評価とも言えるのかな。緒花は母や孝一について吹っ切れた模様。




ここで半分、13話。

前半は緒花の新たな生活、過去との対峙と受け入れによる成長が主として描かれていたということになる。嫌々雑巾がけをしていた人間が生活の一部として働く一員と変わった。そしてそこに垣間見る過去、そして最後でそれについて対峙し受け入れができたのではないかと思える。細かい描写が売りなのでそういったところでこの成長が感じられた。




~後半~

14話から後半、OPが変わる。
緒花はもう旅館の一員として、中でも女将のもてなしの心が一番わかる人間になっているようだ。後半は基本的にスポットライトが宿のみんなに少しシフトする。そして終盤になるとこれがスイに移ってくる。OPは別れが色濃く、展開が透けて見えるようだ。起承転結でいえば転となる後半。その要素として「縁と崇子の変化」「喜翠荘の今後」「スイの過去」が温泉街最大のイベントであるぼんぼり祭りの前の期間に描かれる。緒花個人の話として取れば孝ちゃんの話が絡んでくると思うが僕としては後半は別の話であると考えたので省きます。同じく、個々の人間の話はキャラ立てが強いと思うので省くことにします。

~二度と戻ることはない~


縁と崇子の結婚の際に放った「ぼんぼり祭りが終わったら喜翠荘を閉める」というスイの方針とそれに対するみんなの動きが一番の大きなポイント。
今後の雇い先が決まっていくなかで、喜翠荘が雑誌の巻頭カラーでべた褒め!?これなら閉めなくてもやっていけるじゃないか!という縁だがスイの方針に変わりはない。旅館内での空気が悪化していく。

スイとお墓参りに行く緒花。そこで喜翠荘の由来、「スイを喜ばせる旅館」と亡き祖父についてを聞く。そして「夢はもう畳まないといけない」と伝えられる。

予約が多く捌ききれないので予約をとるなというスイに対して、皆はやり方を変えればいいと反発。スイの話を聞いていた緒花だけは同じように反対をできなかった。

変わり始める旅館の中で常連は残念がり帰っていく。喜翠荘が喜翠荘でなくなって行っているように感じる。その中で菜子も喜翠荘の空気が変わっていることに気付き、緒花はスイに言われたことを打ち明ける。そして皆に対して「女将さんに対する勝ち負けよりも、お客様に喜んでもらう方が大切です」と緒花、菜子も「私の好きな喜翆荘を返して下さい!」と言う。正直どれだけ周りが見えていなかったかが問われているように感じた。それにホテルじゃないんだから新しい新しい言うよりも旅館なら根付いてきた良いやり方があるでしょうと。走る方向が違いすぎてるよ。そしてスイと、訪問してきた皐月がヘルプに入ることに。親子三代で仕事をする光景、スイが夢見ていてたものが最後のこの日に実現するなんて…。

~でも消えない模様~



神社を目指して徐々に集まるぼんぼりの灯り。
暗闇の中で輝くその灯は、空に輝く天の川のようにも見えた。     ー予告より。



ぼんぼり祭り。望みを書いた札にある願い事を神様が叶えてくれるという言い伝えのあるお祭り。
皐月とスイが共に祭りの中を歩いていると緒花の望み札を見つける。
そこには「四十万スイになりたい」と。
「私ね、ちゃんと見つけたよ。女将さんみたいに仕事に誇りを持って、一生懸命になって、ちょっと子供っぽくて、いつまでも一番最初の気持ち、最初の夢を忘れないで、そんな風になりたい。」
四十万の女はへこたれないと前に言っていた。これは祖母としては嬉しいものだろう。そんなものが伝わってくる。
その日夜は皐月がスイに対し「緒花と東京に来ない?」と持ちかける。皐月は以前の訪問を通じて喜翠荘に感じることも変わったようだ。スイも嬉しいが自分は皐月に対して憎い母親でいると断る。

その後、先に隠遁生活を送ることにした豆爺の送別会で、縁は喜翠荘を閉めることを承諾、でも「勉強しなおしてまたいつか再開したい。その時は喜翠荘の名前を受け継がせてもらいたいんだ」そう言った。

そうして喜翠荘は幕を閉じ、みんなは新たな場所へ。スイが1人で誰もいない喜翠荘を回っていく。亡き旦那を思い出しながら。そしてまだそこに緒花がいて「喜翠荘にお世話になったって言いたくて」と雑巾がけをしていた。そしてスイは緒花の見送りで、再開したその時は業務日誌は緒花がつけるんだと約束する。



まとめ

緒花、民子、菜子、結名の4人の夢の変化や、親子三代の相手に対する気持ちの変化、またその他喜翠荘を取り巻く人間模様がうまく描かれていたと思う。緒花はスイのようになりたいという夢ができた、民子は板前になりたいという夢が喜翠荘の板前になりたいというものに変わった。菜子は自分を変えたいと思っていただけだが喜翠荘にいつか戻ってきたいという思いもできた、また積極的になった。結名は旅館に興味すら無かったのが周りを見るうちに手伝いを始め、海外のホテルを学びたいと思った。親子間の変化では、皐月とスイが一番の変化だろう、絶縁状態だが改めて血に触れてお互いを認め合えた。緒花とスイも生活を通して丸くなった。これは主に前半の最後で緒花のスイへの尊敬が生まれたことが大きかったと思う。