12/02/2011

聞きあぐねる

突然だが僕は普段のテンションは高いが、肝心な時に羞恥を感じ煮え切らない人間だと自負している。
いきなりのネガティヴキャンペーンから始まるが、人間関係について悩むこと多し青年期への架け橋を邁進中のこの頃である。この様な性格になった所以からこれからの身の振り方を考えていけたらと思う。

・以前
小学生時代にはテンションはいまよりも高く、誰とでも会話が出来、何でも聞き何でも話すことが出来た。本当に極端だがシステムの制御室に収まらず管制塔のネジが全て錆落ち、塔まで崩れ落ちていたいたと考えるのが妥当な程のテンションだった。校区はまぁ島の中なのに、その外の学校の情報に精通してたくらいに交友は広かった。小学生のくせに。

・気づく
転機となったのは間違いなくここ。
中学の時。とある地方都市、まぁ政令指定都市に崇拝とも言える一定の憧憬の念を持ち週末に足繁く通っていた頃。例に漏れずこそばゆい期待を抱き移動していた時、たまたま一人の女の子と知り合う。周りの女の子は6年ほど顔見知りな訳だし遠慮もあまり無い、つまりこの時はこれまでの例とは違うことに気付かなかった、否、気付けなかった。そしていつも通りズカズカと質問をしたものだから女の子は涙目で「心ないね」と僕に浴びせた。それはコップ一杯の水のように僕は感じたが、その子が僕にかけたかったのはバケツ程度だったのかもしれないと今僕は思っている。

・心ないとは何か
僕はここで初めてやりすぎたかもしれないと感じたのである。遅すぎる。全てにおいて思ったことを言い、行ってきた僕に慎ましさの存在を気づかせてくれた瞬間でもあった。無論、その瞬間にそう気づいたわけではないのだが。その時は怒らせてしまったという程度の認識だったが、その後僕の性格が吉と出たのでここで気付かないよりは圧倒的に良いほうだった。
さてこの後だが、「心ない」という言葉から僕はそう言われてしまった理由まで事細かに聞いたので相手の心により傷を負わせたと思う。馬鹿正直すぎてクズい。
ここのやり取りは割愛するが、内容としては「何がダメだったのか」「今後学ぶこと」だ。ここまで真摯に付き合ってくれた彼女には本当に涙がちょちょ切れるものだ。ここで社会的マナーはできているものの、少し距離のある対人関係の基礎がごっそりと抜けていたということが明るみに出た。対人関係ちゃらんぽらん。

・中学を通しての変化
閉鎖的な街から抜け出したいという気持ちが一層高まり、都市的な人間関係にも適応できるよう画策を始めた。前々からこういった思いは強かったが、今までは遊びに行くため鞄を手に取るだけでは夜にエイリアンよろしく両手を捕まれ強制送還されて叱られる最近の若者を演じることが限界だった。そこで僕は剣ではなくペンを取った。「勉強して都心に出てやる」というよくある考えの礎石のひとつにもなる。そして周りに対しても態度を急激に転化させていき、友人が遠のくという事態にも発展した。この変化を理解をしてくれたのは他にもない彼女と数人の先輩だけだった。

・変化の代償
関係を変えるということで急激に考え方を変化させたおかげで起こったのは、精神的問題で以前のような接し方ができなくなり、新しい関係を築きあげるのが難しくなった。新しいものを知ったらもう前には戻れないということかもしれない。今思えばこれは卒業アルバムにもよく反映されていてなんだか哀愁感すらある。
一気に進行させて後に退けないのは文字通りで個人精神的だけではなかった。途中で留めておけば自分としては良かったと思うのだが、人間関係においては「昔取った杵柄」は通用しないのかもしれない。なんだか大切な物を失った気分にもなる。たまに相手に言いたいこと、聞きたいことを口に出せない時があると、まずこれは言ってよかったのかと考えてしまう。そして後になってあぁ言っておけばよかった、聞きあぐねたと後悔するときは特に強く思うのである。

・現在
こうした考えでは自分が排他的になってしまうと考え積極的に行動しようと立場を改め始めている。これまでの動きは行き過ぎた。だんだんと始めるよりは行き過ぎたところから戻ればいいというのはよく言ったもので実際問題そこまで苦労するものではないようだ。コミュニケーションのできない人を見るとこちらから接しようという気持ちも萌芽し、余裕すら感じられる。

ただ表面的な関係は容易に繕えるものの、深部までいこうとするとどこか窮してしまう自分がいる。
あの時のように言われたら、という気持ちが意外と食い込み巣食っているのかと思うと、自分も人のこと言えないかもなと少し顔を引き攣って笑って見せるこの頃である。

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